Modulate God
作詞:Hora 作曲:Hora |
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〜母なるお前の肉すら 貪り超えて行く〜 INNER UNIVERSEトラック3 お気に入り度:★★★★★ 出た!Hora最強の作品。 人工生命をテーマにしたHoraの作品群の中でも、この作品はもっとも過激な内容です。 modulateは調整する。タイトルを文章として捕らえれば、「神を調整しろ」 modulateを形容詞的に使ったと解釈すれば(文法としては正しくないですが)、「調整した神」。 命を創造した神すらも、弄り回してしまえ、まさに傍若無人の思想が掲げられています。 Horaらしいといえば、最もHoraらしい内容です。 著作権的に×なんですけど、この歌詞は余りにも気に入っているので、 こっそり掲載してしまいましょう。文句言われたら後で消しますし。。 ************ * Lyric * ***************** 巡る命の灯を糧に宿る意思の先 更なる理想焦がれてはその身さえ切り裂く Destruct First Blood Construct New Blood 慈悲なき連鎖断ち切れば罪の苦さ知る 母なるお前の肉すら貪り超えて行く Destruct First Blood Construct New Blood ************************************* 「最初の血を破壊しろ、新しい血を作れ。」 まさに人工生命の思想そのものです。 人工生命をテーマとしたHoraの作品は、精神・理性の存在を極めて重視しています。 生身の肉体を持つ人間は、如何に知能が発達しようとも 肉体本来が持つ、動物的な本能的欲望から逃れられることはできません。 それは、古来より人類が悩み続けたテーマでもあります。 仏教にしろ、キリスト教にしろ、あらゆる宗教で禁欲を美徳とし、奨励することは即ち、 本能・欲望がそれほど、克服しがたいことを意味するとともに、 人間の持つ理性がそれを苦々しく思っている証拠でもあります。 巡る命の火を糧に宿る意思とは、まさに精神のことです。 肉体なくして、精神は生まれ得ないのですから。 生まれ、発達した精神は肉体の持つ本能を排除しようと悶え回るのです。 しかし、それは生命としては、生存・種の保存に反する行為であり、 故に「その身さえ切り裂く」行為といえます。 慈悲なき連鎖とは、誕生→捕食・成長→交尾・子孫作成→死亡の 生物としての終わりなき繰り返しを意味しているのでしょう。 理性はその浅ましい様を嫌います。特に交尾とかね。捕食も殺生ですしね。 そこで辿り着くのが人工生命ということなのです。 だから人工の体に、精神だけ移しこめばよろしい。(これほど恐ろしく、罪深いこともないのですが。) この人工生命に辿り着くことを慈悲なき連鎖を絶つと表現し、 罪の苦さを知ることになるとまで言っています。 「母なるおまえ」とは親としての母というよりは、精神の母体となる自身の肉体を指しているでしょう。 ITの輝かしい発展は現在進行形で続いています。 その中で、コンピューター上で稼動する人工生命・人工知能いうものは実際に研究されています。 遺伝的アルゴリズムとか、ニューラルネットワークなどというプログラム手法の開発がそれです。 コンピュータの性能が飛躍的に向上し続けている現在、 50〜100年後には、人工的な知能が、生身の人間の知能を凌駕するという学説もあります。 Horaが扱っているテーマは、単に彼の妄想では片付けられず、 これから社会で大きな問題に発展していくことになると思います。 ただ、今は余りに時代を先取りしすぎていて、周りの人たちには理解して貰えないでしょうけど。 気になるのは、多分そういうIT技術の現状とか知らないだろうHoraが、 良くこんなテーマに興味を持ったなということです。 まあ、私が勝手に上に示したように解釈しただけで、 彼が考えていることがそういうことかどうかは分らないんですけど、 解釈はかなり無理なくできているような気がするし、 この作品に限らず他の作品でも共通して感じさせるので、 私の解釈は100%とは言わないですが、ほぼ当たっているんじゃないかと思いたいです。 それだけに、Horaという人間には興味が尽きないのです。 動画・・・落ちてないですね。。残念。 (2011.10.11) 発見しましたよ! 3ヶ月ほど前にどなたかアップしてくれていたようです。 というわけで・・・、 ◆↓聴いてみる↓◆ |